社長メッセージ履歴

社長メッセージ履歴

世界から愛されるクラッチ・ブレーキ総合メーカー

2022 年を振り返りますと、誰もが想定できなかった激動の年であり、そのような年を乗り越えて新年を迎えることができたことに対し、関係する皆様に感謝を申し上げます。

ゼロコロナ政策によるロックダウンで始まった昨年の中国経済は低迷し、当社の中国拠点もその影響により非常に困難な舵取りをして参りました。そしてロシア・ウクライナ戦争が勃発し、電力問題等においても非常に厳しい環境を迎えたヨーロッパは大変な思いをしております。日本においては、日本円の大きな為替変動やこれに伴う株価の変動、さらに世界的なインフレと本当にたくさんのことが重なって発生しました。しかし、そのような環境下においても、我々経営陣はこの難局を乗り越える為の様々な対策を実行し、しっかりとした経営ができる体制基盤を築くことができました。

私は以前より、「当社はお客様から愛される企業にならなければいけない」と従業員に説いて参りました。その為には当社で働く従業員が愛社精神を持てる会社づくりをして行かなければなりません。現在のようなインフレ社会においても健全な経営を行い、一人ひとりが安心して明るくやりがいのある仕事をして行ける環境づくりにより一層邁進いたします。

また、今年も昨年に引き続き、モリゾウ選手(トヨタ自動車株式会社 豊田章男社長)がオーナーを務める「ROOKIE Racing」のドライバーとして、スーパー耐久レースに参加いたします。カーボンニュートラルの選択肢の一つとなる水素カローラの開発ドライバーの一員として参加させていただくこととなりましたので、ケガのない一年にして行かなければならないと強く感じております。

本年も激動の年が継続することが推測されますが、その荒波に飲み込まれることなく、しっかりと舵取りをして参りますので、よろしくお願いいたします。

令和五年度「年頭所感」より

創業の心

2021年度は前年に設置されました特別調査委員会による調査結果を受けて策定した改善措置に小倉グループ全体で取り組み、9月に東京証券取引所より改善状況に関する承認をいただくに至りました。会社としての責任を改めて考え、今回起きてしまったことを深く反省し、この2022年を迎えました。

昨今の中国における事業環境は鋼材や人件費の高騰、そして電力不足等、様々な問題を抱えています。また、世界的な半導体不足は自動車のものづくりに停滞をもたらし、自動車業界は大きな打撃を受けました。2022年もまだまだ不透明な状況が続くことが推測される中、アジア圏の不安定な経済に注視して行かなければならないと考えます。こうした環境を受け、当社がグローバルビジネスを成り立たせて行く為にはものづくりの原点に立ち返り、日本を含めた各拠点のものづくりの本当の実力値を見定めて行かなければならないと思います。

私たち、中堅企業のやるべきこと、為すべきことの方向性ははっきりとしています。コロナ禍による世界経済が不安定な中、お客様の手の届かないところに手を伸ばし、支えて行くことが役割であり、それこそが創業の心でもあります。

クラッチ・ブレーキの総合メーカーとして盤石な企業体質を築き上げ、お客様から愛される企業を目指して参りますので、本年もよろしくお願い申し上げます。

令和4年度「年頭所感」より

創業の心

 昨年は新型コロナウイルスの世界的感染拡大に始まり、東京オリンピックの開催延期、国内外の政権が交代・移行するなど、とにかく様々な出来事がたくさん起こりました。
 しかし、弊社にとって一番大きな出来事は特別調査委員会による調査が行われたということです。まずはこのことについてお客様、私どもに関係するお取引先の皆様、そして従業員、その家族の皆様と多くの方々にご心配をお掛けしてしまったことを深くお詫び申し上げます。今回の調査報告書は2020年12 月16 日に受領し、弊社ホームページに掲載いたしました。特別調査委員会を立ち上げ、調査しなければならなくなった背景については報告書に記載の通りですが、この問題の発生はグループを管理する立場の本社並びに経営陣の不徳の致すところです。

 今回の調査を通じて、認めなければならない管理上のミスが事実として発覚しました。しかし、中国の製造拠点である小倉離合機(東莞)有限公司・小倉離合機(長興)有限公司で同時に発生した棚卸資産の架空計上においては、会社として不正を行おうとした事実はけっしてなかったことを、この場をお借りし改めてお伝えさせていただきます。指摘を受けた管理上のミス、いわゆる実務を執り行う際の規程の不備等については今年の大きな改善項目として、再発防止委員会を立ち上げ、即対応するよう努めております。本年は今回失った信頼の回復に全力で取り組まなければならないと決意しております。弊社の歴史を振り返ってみると、グローバルカンパニーとしての位置付けを築く為に積極的に海外進出をしてきました。世の中がアジア圏に生産拠点をシフトして行くという流れの中、弊社も同じように工場を築き、そしてお客様のニーズに合った対応に取り組んできました。しかし、急激に海外工場での事業を展開しなければならないことから、送り出す日本人出向者に対する教育・訓練等が行き届かない点があり、今回の問題に発展してしまったと今振り返れば感じています。

 また、アメリカの関連会社においては不正送金事件が発生しました。これもある意味、海外拠点での人間(信頼)関係の甘さや緩さが起こしてしまったものと考えております。本来であれば、会社の管理項目を確りと規定しておくべきであり、信頼関係による管理がもたらしてしまった不祥事に対して規程の大切さ・重要性を痛感しました。今後は海外拠点の経理についても規程を確立させて管理することで、再発防止に努めて参ります。
 弊社従業員にはリーマンショック、東日本大震災など大きな問題が起きたとき、ものづくりの原点に立ち返ろうと説いてきました。しかし当然、ものづくりを行う為には、そのものづくりを管理する際に重視すべき管理項目があるということは国内では理解されているものの、海外ではその管理が行き届かなかったことが今回の問題を引き起こした一面であると感じています。その為、海外工場においては管理システムの見直し・管理能力の向上に取り組むことが大きな課題です。

 今回の調査報告において、当社は品質問題や客先問題などへの対応は非常に確りしていると評価をいただいています。一方で、問題が見つかってからのスピードに課題がある、との指摘を受けました。今後、問題が発生したときは経営方針にもあるように今まで以上に報連相を徹底いたします。報連相のスピードアップを図ることで、より風通しの良い組織を実現する為に、経営方針の一部変更も検討しています。報連相は職制を通じてスピード感をもってトップへ伝達することで、問題への迅速な対処が可能となります。そのような視点で企業風土の改革にも取り組んで参りたいと思います。
 コロナ禍のような不透明な環境を弊社が乗り越えて行く為には今年の年頭所感のタイトルとした「創業の心」を確りと持ち続け、小倉クラッチのものづくりの強さ、弱さをよく整理しながら事業に取り組んでいかなければならないと考えています。今、私たちは足元を確り見て、弊社事業に携わっている一人ひとりが会社に対する自分の価値を磨くことが大切ではないかと考えております。その力を結集することで良いものづくり、そしてお客様に喜んでもらえる良い製品が生み出されます。今年は厳しい年になろうとも、従業員みんなで力を合わせ失った信頼を取り戻す努力が業績向上に繋がると私は信じております。株主様、お取引先の皆様、従業員の皆さんに今回一連のお詫びを申し上げ、年頭のご挨拶に代えさせていただきます。

令和三年度「年頭所感」より

オリンピックとともに羽ばたく小倉クラッチ

 新天皇の即位後初めての新年、令和2年を迎えました。昨年を振り返りますと、日本全体が新元号ブームで湧き上がり、日本経済が活気づく中、前半は好調な年を迎えることができました。しかし、下期を迎えるときには景気全体が後退をして行きました。その背景には米中問題、日韓問題等々、様々な国と国との関係悪化により世界全体の景気が後退していったのでなかったかと考えます。

 さて、小倉グループとして2019年はOgura Clutch Philippines,Inc.(フィリピン)が本格稼働に入りました。また、㈱三泉本社棟(伊勢崎市)の地鎮祭を執り行い、心強い日本の生産工場の立ち上げ準備に入りました。中国においても砂永精工電子(東莞)有限公司が新たにグループに加わり、各国での生産強化の準備が整いつつあります。

 一方で、リーマンショック以降、失われてきた日本のものづくりが今、日本全体で活発に動きだし、日本国内300ヵ所以上で新たな生産工場が立ち上がっているとのことです。海外における人件費が高騰する中、日本ブランドが生産現場を日本国内に回帰させているように、これからのものづくりは日本国内も重要な生産拠点として見直していかなければなりません。

 我々としても日本でのものづくりをより一層強化し、現場力の強化に努めて参りますので、お客様並びに弊社関係者の方々にはより一層のご指導・ご鞭撻をお願い申し上げます。

令和2年度「年頭所感」より

信頼と技術力の向上

 1938年に創業した弊社は、昨年の5月25日で80周年を迎えました。更に7月には株式会社三泉を新たにグループの仲間に加え、この先の90周年、そして100周年に向っての第一歩を踏み出しております。

 一方、日本の工業界に目を向けると様々な不正問題が騒がれた一年であったと感じます。素材、原料の業界や我々の関連する自動車業界においてもデータ改ざんが行われていたなど、日本のものづくりの根幹を揺るがすような一年ではなかったかと思います。今、自動車産業は100年に一度の変革期と言われており、弊社においてもより一層気を引き締め、誠実にものづくりと向かい合い、お客様からの信頼を高めて参ります。

 日本経済は2020年の東京オリンピックに向け飛躍的な一年になるであろうと感じています。更に、2025年に大阪万博の開催が決定し、この先も日本の景気には期待が持たれています。この機を逃すことなく、営業部門はしっかりと拡販活動を行い、ものづくりをする製造部門は質の高いQCDを今まで以上に向上させて行きます。弊社の事業も、今までの中心であったカーエアコン用製品だけではなく、一般産業用や燃料電池などの多岐に亘る分野での拡大が見込まれております。クラッチ・ブレーキの専門メーカーとしてのプライドを持ち、技術力を向上させてお客様にご満足をいただけるものづくりに励むことで、100年企業に向けてこれからも歴史を積み重ねて参ります。

平成31年度 「年頭所感」より

社長メッセージ

 弊社がこうして80周年を迎えられたのは、お客様からのご愛顧と、お取引先様、代理店様、そして従業員とそのご家族など様々な方々からのご支援の賜物です。
 70周年からのこの10年を振り返りますと、2008年にリーマンショックが起こって全世界を不況が襲い、日本においては2011年3月に東日本大震災などの天災が襲い、会社としてもかつて経験したことのない大変厳しい時もありました。しかし、労使一体となり、取引先様のご協力と代理店様のお力添えの下、困難を乗り越えることができ、今こうして80周年を迎えられたことに対し、深く感謝いたします。更に今、大きなスローガンとして「Challenge 500」を掲げました。リーマンショック前に一度は達成した売上高500億円という壁を再び乗り越えるために邁進しておりますのでよろしくお願い致します。
 私もようやく16年という経営者としての年輪を重ねることができました。先代が会社のトップとして34年間やってきたことを振り返ると、その歴史を超えるにはまだ20年近くの経験が必要となります。そしてその時に、弊社は100周年を迎えることができます。私どもはこの先も新たな年輪を一つ一つ重ねて行き、90年、100年を迎えられるように更なる飛躍を誓いたいと思っています。
 今は100年に一度の大変革の時代だということを我々も肝に銘じ、世界一のクラッチ・ブレーキの総合メーカーとしてのプライド・責任・希望を持って邁進いたしますので、これからもご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

「小倉クラッチ創業80周年記念式典挨拶」より

創立80周年を迎え、新たな心構えを

 当社は2018年5月25日に創業80周年を迎え、会社として節目の年となります。さらなる発展を遂げる為にはグローバルカンパニーとして各拠点の優位性を最大限に活かしたものづくりを構築します。例えば、弊社関連会社であるOCC(中国)では昨年増築された工場が稼働を開始します。中国を拠点とする3つの工場(OCD・OCC・OCW)が中国市場の受注を取り込み、さらにグループの輸出拠点としての役割も果たして行きます。但し、中国では人件費が高騰しており、生産性を上げてコストを抑えたものづくりを強化していかなければなりません。また、OCT(タイ)とOCI(インド)も含め、これらアジアの工場が連携し、さらに日本の工場とも緊密に連携を図り、お客様にご満足いただける品質、価格、そして納期を順守することによって我々の価値が保たれると考えます。
 2020年の東京オリンピックを控え、当社製品が様々な場面で使用されることを想定し、受注に結び付ける為に緻密な営業活動に取り組んで参ります。
 2018年は弊社の掲げるスローガン「チャレンジ500」に1歩でも近づけるよう引き続き惜しみなく努力し、売上高500億円を実現できる体制を整えます。創業80周年を迎える本年が会社にとっても、ステークホルダーの皆様にとりましても良い年となれるよう、事業活動にまい進して参りますので、よろしくお願い申し上げます。

平成30年度 「年頭所感」より

Challenge500に向けてチャンスを掴む

 2016年を振り返ると自動車業界だけではなく、政治・経済すべてが激動の年であったと考えます。グローバル展開をしている企業にとって為替問題は留意すべきポイントの一つです。2016年3月期決算では自動車メーカー、電機メーカーを始めとした大手企業は好況感に後押しされて好調な業績を発表しました。しかし、月日が進むにつれて徐々に円高傾向に振れ、イギリスのユーロ離脱のニュース直後には1ドル100円を切るほどの円高となり、多くの企業がその影響を受けることとなりました。グローバルに経営の舵取りをする以上、国際問題を注視しながら国家同士のパワーバランスについてもよく認識して行かなければならないと考えております。
 当社におきましてはお蔭様でカーエアコン用クラッチの生産で累計4億台を達成することができました。2017年は売上500億円を目指してステップアップする年です。営業部門では新規のお客様への拡販を強化し、製造部門と技術部門は事業間の壁を取り払い、柔軟なものづくりで新しいビジネスを実現して参ります。また海外においてはOgura Clutch India PVT.LTD.<インド>では昨年から生産が開始され、さらに今年は小倉離合機(長興)有限公司<中国>の新工場も完成し、一層の生産体制の強化を推し進めております。
 大きな変化の後には必ずチャンスが生まれます。しかし、いくらチャンスがあっても、それを掴み取れる力がなくては意味がありません。品質を始めとするものづくりの原点に対し今後も真摯に取り組んで参りますので、お客様並びに弊社関係者の方々にはより一層のご指導・ご鞭撻をお願い申し上げます。

平成29年度 「年頭所感」より

技術力を結集して新たな挑戦へ

 昨年を振り返ると為替相場や日経平均株価は日本の景気が元気であることを示した1年であったと考えます。しかし世界に目を向けると、各地ではテロ等により安全が脅かされる事態となりました。世界7か国でグローバルに事業展開している当社にとっても他人事ではなく、まず現地従業員の安全確保を第一に考え、安心して働ける環境を構築したいと思います。
 また、昨年は建築業界においてはマンションの杭打ちデータ改ざん問題、自動車業界においては排ガス不正問題等を受け、本当のものづくり、品質管理の維持が求められています。我々には70有余年に亘って培ってきた技術力と品質力があります。技術部門を統合したことのメリットを最大限に活かして、これらを前面に打ち出してリーマンショック以降の失われた数年分の成長を取り戻し、新規事業への取り組みをより一層強めてまいります。 当社連結子会社であるOgura Clutch India PVT.LTD.(インド)が立ち上がり、グループ全体では日本を含め9つの生産拠点となりました。グローバル化が一層進むことからしっかりと為替相場を見極め、適切な場所で製品を造り供給するというグループ全体での最適生産を推し進めてまいりますので、お客様並びに弊社関係者の方々にはより一層のご指導・ご鞭撻をお願い申し上げます。

 平成28年度 「年頭所感」より

さらなる成長に向けて

 2014年はデフレ脱却を目指すアベノミクスの経済効果によって株価は高値水準となり、為替も円安に大きく振れて推移しました。こうした中、自動車、電機をはじめとする大企業は日経平均株価を押し上げるほどの業績を取り戻しています。2015年も前年と同様の景況感で推移すれば、東京オリンピック開催(2020年)に向けて国内景気は回復の傾向が続くと思われます。但し、我々はすでに世界各地に海外拠点を置き、今年はさらにインド工場が立ち上がります。グローバル展開を進める中で、日本の工場が直面する空洞化を改善していくことが今年の経営の大きなテーマと考えております。
 2015年は長年培ってきた小倉クラッチのものづくりをさらに発展させていきます。今までのような製品形態毎の生産体制という垣根を取り払い、各工場のメリットを最大限に活かした適材適所でのものづくりを推進し、クラッチ・ブレーキという事業全体の多能工として広い視野を持った人材を育成します。そして、競合他社よりも一歩先を行くクラッチ・ブレーキの総合メーカーとしての位置づけを確立させてまいります。
 既存のビジネスを成長させることはもちろん、新しいビジネスを獲得して企業を成長させ、勇気を持って変化に立ち向かってまいりますので、お客様並びに弊社関係者の方々にはより一層のご指導・ご鞭撻をお願い申し上げます。

 平成27年度 「年頭所感」より

Made in Ogura Made in Japan

 昨年は株価の高騰や円安効果が国内自動車業界を中心とする製造業の業績に明るい兆しの見えた1年であり、製造業界の好調はそこに携わる様々な関連企業にも好影響を与えてくれると考えます。一方で、国内においては猛暑や台風による河川の氾濫、土砂災害に見舞われ、海外でもフィリピンへの超大型台風の上陸で大きな被害が出るなど、地球温暖化の影響でしょうか、多くの自然災害が発生した年でもありました。我々ものづくりのメーカーも、企業の社会的責任として環境に配慮したものづくりがより一層求められております。
 2014年は日本の景気回復の波に乗るためにも、ものづくりの原点に立ち返り、本当の意味でものづくりを日本から発信して参ります。QCD管理の徹底により今まで以上の信頼をいただき、「小倉」というブランドをしっかりと守り、従業員一丸となって「メイドイン小倉」を実行して参る所存です。
 グローバル展開するOCT(タイ)やOCC(中国・長興)においては、一般産業用とカーエアコン用の両方を製造するなど新しいものづくりに取り組んでおり、国内においても多能工の育成により柔軟なものづくりを目指して参りますので、お客様並びに弊社関係者の方々にはより一層のご指導・ご鞭撻をお願い申し上げます。

 平成26年度 「年頭所感」より

元気を取り戻そう

 昨年は、リーマンショックから景気が多少回復してきたように感じつつも、度重なる国際問題や為替相場の超円高水準での推移などを背景にグローバル企業はものづくりのあり方を見直さなければならない年であったと考えております。
 この2013年は日本経済の様々な変動を想定して対処しなければならない年になることでしょう。しかし、我々はそのような外部要因に振り回されるだけでなく、自分たちの力を結集し、この変化に柔軟に対応しなければなりません。昨年、グローバルな生産体制を強化すべく、OCT (タイ)やOCD(中国・東莞)に設備を増設しました。今後、これらの海外生産拠点をフルに活用し、また攻めの営業に徹することで製販一体となって景気に左右されることのない独自のスタイルを築き上げて参ります。
 従業員一人ひとりの元気を合わせて、グローバル競争の渦中にある日本メーカーとしてのプライドと小倉クラッチ魂で企業としての元気を取り戻し、2013年に臨んで参りますので、お客様並びに弊社関係者の方々にはより一層のご指導・ご鞭撻をお願い申し上げます。

 平成25年度 「年頭所感」より

OGURA魂を世界に向けて

 昨年発生した東日本大震災という悲しい出来事に対し、被災地の方々が逆境に屈することなく、強い気持ちを持って立ち上がっていくのを目の当たりにし、私たちは勇気と感動を与えられました。我々も人と人とが強い絆で結ばれていることを忘れることなく、一日一日を大切に歩んでゆきます。
 2011年は「ものづくりと人づくり」という大きなテーマに取り組み、「品質に対する考え方」、「納期に対する捉え方」、「コストに対する姿勢」に対して従業員一人ひとりが意識を高め、これからも脈々と続く当社発展を支える企業力の蓄積という、新しい小倉クラッチの「第1章」を完遂できたと考えております。
 今年は70年間以上に亘って実直にものづくりに取り組んできたノウハウや、社員一人ひとりに受け継がれてきた高い意識を「OGURA魂」として世界に向けて発信し、新しい小倉クラッチの「第2章」の幕開けとして邁進いたします。安定した品質は一朝一夕に作り出すことは出来ません。お客様への提供価値として「価格」と対を成す「品質」に向き合い、対応できるようにメーカーとしての力量をいかんなく発揮します。その為にも、今まで以上の努力を積み上げてさらなる高い目標を目指して参りますので、お客様並びに弊社関係者の方々にはより一層のご指導・ご鞭撻をお願い申し上げます。

 平成24年度 「年頭所感」より

『ものづくり』と『人づくり』

 昨年は先の見えない経済環境の中、リーマンショックの根深い影響を受けた数多くの企業が難しい舵取りを強いられましたが、当社においては従業員一人ひとりの業務改善が功を奏し、結果を出すことができました。これもひとえに当社をご支援いただきました皆様のお蔭と深く感謝申し上げます。
 2011年は小倉グループとして、「ものづくりの本領を発揮すること」を念頭に邁進する所存でございます。当社は創業以来「ものづくり」への熱意が人一倍強かったからこそ、競合企業に打ち勝ち、70年以上の歴史を残してくることができたと考えます。現在を生きる私ども一人ひとりが、諸先輩方の「ものづくり」に対する思い・熱意を確りと引き継ぎ、勇気を持って意識改革することで新たな歴史の一歩を踏み出します。そして築き上げた当社のものづくり体質をグローバルに展開させ、世界と共に発展していくことで今まで以上の企業価値の向上に繋げ、さらに従業員一人ひとりが考えるスピード、行動するスピードを上げ、過去に培った経験を加えながら業務のスピードと質を向上させて参ります。
 また、「人づくり」にとって最も大切であります良好な人間関係、明るい職場から企業の永続的発展を成し遂げる人材を育成する従業員教育にも主眼を置き、取り組みたいと考えます。
 経営陣、従業員が一人ひとりの力を結集して将来を切り拓き、さらなる成長を遂げることを目指して参りますので、お客様並びに弊社関係者の方々にはより一層のご指導・ご鞭撻をお願い申し上げます。

 平成23年度 「年頭所感」より

本来の小倉クラッチという健全な企業体質へ

 一昨年の金融不安を端に、2009年の始まりから急激な世界的不況に陥りましたが、終盤からわずかな回復が見られる景況感となりました。このような経営環境においても、製造業として徹底的なムダを排除する業務改善を従業員一人ひとりがしっかりと取り組み、企業存続に向けて結果を残すべく活動しております。
 また、今年は活発化する東南アジアの自動車市場を視野に、創業以来築き上げてきた世界シェア占有率の維持はもちろん、その拡大する市場でさらなるシェアの獲得を目指し、オグラクラッチタイランドが本格稼動を迎えます。更に、中国における製品の供給体制も一層の整備を進め、日々の増産と共に小倉ブランドとしての品質を維持・向上させて参る所存でございます。
 これからの時代はグローバルネットワークを活用し、事業展開していかなければならないと考えております。地域のニーズを掴み取り、どのように応えていくかということが、2010年を生き残るための課題であり、必ずや企業として確かな付加価値を生むことに繋がります。小倉グループとして日本からのサポート体制を充実させ、密な交流を海外と図ることにより、今まで以上のネットワークを活かした事業展開を推進して参ります。
 100年に1度と言われる未曾有の経済環境の中ではありますが、経営陣、従業員一同、力を結集し、安定した品質の物造りができる会社として継続成長を目指して参りますので、お客様並びに弊社関係者の方々にはより一層のご指導・ご鞭撻をお願い申し上げます。

 平成22年度 「年頭所感」より

メーカーとしての底力をフルに発揮させる

 昨年10月からの想像を超える急激な世界経済の景気後退が続く中で、今年は昨年以上に厳しくなることを想定しながらも、確りとした経営の舵取りを進めていく所存です。
 このような厳しい環境においては、従業員が力を合わせ「一人ひとりが能力を100%以上発揮すること」が何よりも重要であり、今年は物造りの原点に戻って、『メーカーとしての底力をフルに発揮する年』だと考えています。このテーマを全従業員が真剣に受け止め、皆様に支えられてきた創業70年の歴史、そして現在の当社を築き上げてきた先人たちの思いを見失うことなく、世界3分の1のシェアを有するクラッチメーカーとして将来に向けて「今何をしていかなければならないのか」を一人ひとりがプロ意識をもって、日々の改善に取り組んで参ります。
 また、長年蓄積してきた技術力と物造りのノウハウという付加価値を武器に、今まで以上の競争力を生み出し、経営陣と従業員とが共に手を携え、更にはグローバルカンパニーとして世界で展開する各拠点が連携し、全社一丸となってワンランク上のクラッチ・ブレーキの総合メーカーを目指す所存です。
 大変なときだからこそ、経営陣、従業員の磐石な信頼関係の基に、明るく前向きに物造りに取り組み、この難局を乗り越えて参りますので、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 平成21年度 「年頭所感」より

創業70周年のご挨拶

 小倉クラッチ創業70周年の記念式典を、皆様と一緒にお祝いできることを、心よりうれしく感じ、小倉クラッチそして小倉クラッチグループを代表しまして、心より感謝を申し上げます。株主の皆様をはじめとして、OB・従業員・協力工場・代理店・関係会社など当社が今日ありますのは、数多くの方のおかげです。
さて世間では「企業の一生は70年がターニングポイントである」とも言われており、その様な意味で70周年とは、今後80周年・100周年に向って大きな飛躍をするために、小倉クラッチの創業の精神を見つめ直す記念すべき年であります。
 創業70周年に当たり、当社の社是・社訓である「誠実・勇気・健康」「誠実を旨とし…」を縦糸に、「コミュニケーション」という視点を横糸にして、今後に向って大きな飛躍を目指します。創業当初、町工場からスタートし、戦後は高度成長期の中で社員全員が夢と希望を持ち、その実現に向けて助け合って発展して参りました。そこには確りと縦横のコミュニケーションがとられ、厳しさと優しさとが両立した思いやりがありました。目先の利益ではなく、80年・100 年と企業が持続的に発展できるよう、会社や仲間にとって誠実に本質的な利益を引き続き考えていきます。
 小倉クラッチグループは米国・フランス・ブラジル・マレーシア・中国の東莞・無錫と、全世界の最適地生産を展開して参りました。最近では特に中国や東南アジア諸国のLCC(ローコストカントリー)の市場が膨大で重要となり、かつ競合として成長を続けております。そこで重要になってきたのが、このグローバル競争を生き抜くためマザープラントとして「ものづくり」技術を確立することです。そして、お客様のニーズの追求、より良い製品を開発・販売し、顧客満足の向上を目指すと共に、株主の皆様に還元して参ります。その上で、来るべき80周年・100周年を盛大に祝えるよう、社業に一層励んで参りますので、引き続き変わらぬご支援をお願い致します。
最後に、皆様に改めて厚く御礼を申し上げまして、小倉クラッチ創業70周年記念の挨拶に代えさせて頂きます。

 平成20年度 「創業70周年記念式典挨拶」より

勇気を出して、困難に立ち向かえ

 新聞発表によると、今年の新入社員のタイプは「カーリング」型であり、進むべき道を示さないと前に進まないので、周りの人のささえが必要だとの事です。
 さて、当社は今年創立70周年を迎えます。70周年という企業として大きな節目に当たり、当社は創業の原点、ものづくりの原点に帰って大きく変わらなければなりません。そのために必要なのは、失敗を恐れず新しい考えや提案をどんどん発言し行動できる「勇気」を持った人です。困難にぶつかっても、当社の社是にもあるように「勇気」を出してそれを乗り越えてゆける人材です。新しいことや考えには失敗がつきものですが、会社としても皆さんを支えてゆきますので、「勇気」を持って挑戦してください。失敗をした場合でも、何が失敗なのかを突き止め、同じ過ちを繰り返さないよう経験を積んでください。
 同期の人はライバルでもあり、今後末永く付き合ってゆく仲間でもあります。同期をはじめ皆で力を合わせれば、困難な時代を乗り越えて行けます。皆さんが良き社会人へと成長する事を期待します。

 平成20年度 「入社式訓話」より

70年の歴史という礎に立ち、成長し続けよう

 弊社にとって創業70周年という記念すべき年である今年は、職場環境の基礎である人間関係作りに努めます。上司と部下が、年配者と若者がお互いを理解し合い、今まで培ってきた経験に新しい力を付加して企業力を高めます。
 良好なコミュニケーションは不良の撲滅にも繋がります。仲間の為に各自が最善を尽くせば自ずと不良は無くなります。LCC(ローコストカントリー)の企業が競合として台頭して来ている今、歴史ある物造り企業として社員全員が協力して不良というムダをなくして打ち勝っていきます。弊社は誇れる70 年という歴史を持っています。
 そしてこの先も、100年を超え成長し続けます。その為にも人と人との繋がりを見直し、強化して行きます。コミュニケーションを確りと取れば、お互いが成長します。自分自身が成長できれば仕事が面白くなります。面白い仕事に真剣に取組めば、企業の成長に繋がります。企業が成長することで社会に貢献することが出来ます。社員一人ひとりが「夢・情熱・挑戦」を心に抱き、自分自身の仕事にプライドを持ち、互いに相手を思いやって今年一年、力を合わせて革新に取組んで参ります。

 平成20年度 「年頭所感」より

元気な小倉型成長人間となれ

 毎年、新社会人は何々タイプと名をつけられます。新聞発表によると今年の新入社員は目先の利益を追求するデイトレーダー型であり、企業戦士型に育てようとしても自分の環境を優先する為、会社の期待は裏切られてしまう傾向があるという事です。私はこれを、ある意味でプレッシャーに弱いと理解しました。皆さんの中には失敗の無い人生を歩もうと思っている人もいるかもしれません。しかし、失敗を重ねる事で、人は何が悪かったのか、どう進めば良かったのかを知る事が出来ます。失敗を経験しなければ大きな壁に突き当たった時に、それを乗り越える為の知恵を引き出すことはできません。もし失敗しても隠さずにオープンにし、それを皆で共有して行きましょう。失敗を繰り返しながら、皆で成長して行きましょう。1〜2年は温かい目で見守ります。しかし、3年経って、5年経っても同じ失敗を繰り返していては成長がないと見られてしまうという社会人としての厳しさも認識して下さい。是非、デイトレーダー型で終わらず、元気な小倉型の成長人間になって下さい。小倉クラッチは元気のある会社です。皆さんも今日の元気を忘れることなく、これから小倉人としての活躍を期待します。

 平成19年度 「入社式訓話」より

心に「ゆとり」と「厳しさ」を持って厚い壁を打ち破ろう

 カーエアコン用クラッチビジネスとしては、各自動車メーカー様が中国等のLCC(ローコストカントリー)に生産シフトしていく中で、我々としては先ずは日本で確りとした「物造り」を確立します。そうすればLCCでの生産に切り替えた時に、LCCとの厳しい勝負にも打ち勝つことができるでしょう。また一般産業用ビジネスとしては、110億円という更に高い目標を掲げ、スローガンを「MACH〈マッハ〉1.1 !!」としました。今年はこれまで以上のエネルギーを持って110億円という新たな壁を打ち破っていきます。
 カーエアコン用クラッチ・一般産業用ビジネスともに厚い壁があり、それを打ち破るには1人ひとりが自分のやるべき事を真剣に考え、そして効率良く最大限の効果が出るように昨年以上に努力していかねばなりません。苦しい状況でこそ、心に「ゆとり」を持って前向きな思考で良いアイデアを出し、そして危機感をもって実行し「厳しく」管理する、というように、今年は「ゆとり」と「厳しさ」を上手く使い分けていきます。クラッチ・ブレーキの№1メーカーとしてのプライドを持ち、先ずは国内での小倉クラッチの実力を明確に示してその確固たる地位を確保し、その勢いでグローバルでの競争に打ち勝っていくという決意を持って邁進します。お客様並びに弊社関係者の方々にはより一層のご指導・ご鞭撻をお願い申し上げます。>

 平成19年 「年頭所感」より

小倉人として元気に伸び伸び頑張ろう

 新入社員の皆さんは様々な経歴を持って入社してきましたが、今日からは小倉人として同じ土俵に立ったことになります。会社としても皆さんが同じ土俵で成長していける環境を作っていきますので、今後どう成長すべきかを自分自身で確り考えて、第78期生としての団結力を持ちながら、お互いに切磋琢磨して能力を向上して、その能力を充分に発揮していって下さい。10〜20年後には皆さんが当社の中心となり、会社を背負って行って貰いたいと期待しております。そしてこれから仕事をしていく上では、皆さんも色々な壁にぶつかったりする事も多々あるでしょう。また当社にも古い体質が残っておりフレッシュな目を持っている皆さんとしては、改善すべき点に気付くかもしれません。その場合は積極的に上司や周りの人に相談・提案をして下さい。会社は足を引っ張る人が1人でも居ては成長していきません。皆で力を合わせて夢と希望に向かって元気に頑張り、大きな力となって会社を造り上げていきましょう。

 平成18年度 「入社式訓話」より

夢・情熱・挑戦 〜明るく・熱く・元気良く〜

 本年はスローガンを「夢・情熱・挑戦 〜明るく 熱く 元気良く〜」に改めました。全従業員がそれぞれ描いている夢に対して情熱を持って元気良く挑戦していきます。そして一人ひとりが冷たく青白く輝くLED(発光ダイオード)ではなく、心に情熱と熱意を持ち周囲を明るく照らす白熱球になる事で、お互いに明るく照らし合い、元気でハツラツと熱く戦う企業に革新していきます。
 営業目標としては景気が回復していると言われる中で、本年はこれまでより高い目標を掲げ、クラッチブレーキの総合メーカーとして積極的な営業展開をします。その為にもメーカーにとって命である品質について、特に工場部門としては作業者一人ひとりが自分の仕事の品質に責任を持ち、工程で品質を造り込んで品質改善に力を入れていきます。また今年は更に激しくなるグローバル化に対応する為に、最適なものを最適な所から調達してお客様に供給するというグローバル市場で最適性を実現すべく、昨年以上に最適調達に努め顧客満足を高めていきます。
 今年は戌年ですが、「明るく 熱く 元気良く」をスローガンに、「泣き」(鳴き)を入れないように、ワンダフルな年にしたいと考えますので、お客様並びに関係各位にはご指導ご鞭撻の程、宜しくお願い申し上げます。

 平成18年 「年頭所感」より

LEDではなく、白熱球になれ

 新入社員の皆さん、のびのびと元気一杯チャレンジし、失敗からたくさんの事を学んで、光り輝く人材へ成長して下さい。冷たく青白く輝くLEDのようではなく、心に情熱と熱意を持って周囲を明るく照らす白熱球になって下さい。将来の夢や希望を持って、25年後には役員となり自分が小倉クラッチの経営の一端を担うのだという気概を持ってやって下さい。時には壁にあたることもあるかもしれません。失敗することも多いにけっこうです。新たなチャレンジによる失敗は、成功の始まりであり成功の原点です。失敗することによって、自分の持てる能力や実力のレベルを知るのは、新しいことを吸収し、能力アップするための貴重な経験です。今置かれた環境の中で学び、先輩に指導を受けることによって一歩一歩前進するのです。

 平成17年 「入社式 訓話」より

失敗を成長の糧とする

 失敗は成功の元と言います。失敗を経験しない人に成長はありません。失敗を心配ばかりしていては、自分の持っている本当の能力を発揮する事は出来ず、また発揮する事を恐れるようになってしまいます。新入社員には弊社の社員としての自信と自覚を持ち、自らの能力を十分に発揮して下さい。
 経済の安定していた時代であれば、組織の中に自分を置いていればある程度は自分の将来の姿が自然と見えてきたかもしれません。しかし最近では、どの企業も考え方がアメリカンナイズされ、年功序列から能力主義へと変わって来ています。一人一人が自分の能力を十分に発揮し、それを周りから認めてもらわなければステップアップする事は出来ません。だからこそ、失敗を恐れずにチャレンジし、たとえ失敗してもそれをバネに自分自身を向上させましょう。
 皆さんには、大きな将来の夢を持って貰いたいものです。しかし、そうした長期的なビジョンを実現する為には、先ずは今年一年何をすべきかという短期的なビジョンを考え、失敗を恐れず元気良くチャレンジして、将来の小倉クラッチの中心的役割を担う人間に成長する事を期待しています。

 平成16年度 「入社式 訓話」より

品質と環境と体質を強化し元気な企業に

 昨年はお陰様で、世界的に見ても極めて早い段階でISO/TS16949の認証を取得し、自動車関連ではグローバルサプライヤーとしてのパスポートを手にする事が出来ました。しかし、中堅規模の製造業や機能部品のサプライヤーとしては、今年も未だ未だ厳しい経済環境が続くと予想されます。
 そうした中にあって、経営方針やスローガン『C4&I2』でCSを第一に掲げる弊社としては、何よりも品質管理を強化し、あらゆる製造工程のムダ・ムラ・ムリを取り除きます。
また、OAや自動車関連のお客様が生産拠点を中国へシフトする中で、弊社も本年早々には中国東莞に新たな生産拠点を立ち上げます。同時に、世界で唯一のクラッチ&ブレーキの総合専門メーカー、即ちオンリーワンメーカーとして、どこにも負けない確かな技術開発力・製品開発力・生産技術力をもって国内空洞化の対策と致します。
 更に、大きくは地球環境保全の一助にもなりたいと、グリーンサプライやゼロエミッションを手始めに、環境改善活動も開始致します。
 平成十六年は、未だかつて無い姿勢で企業の体質改善に真剣に取り組み、全社員がベクトルを合わせて行動し、元気な企業を目指して参りますので、関係各位にはより一層ご指導ご鞭撻の程、宜しくお願い申し上げます。

 平成16年度 「年頭所感」より

製販一体により国内販売の充実を図る

 昨今、景気回復の芽が出てきているという事が良く言われ、現に東海地区ではその状況が非常に色濃く現れていると聞いております。しかし一方で、関西地区は非常に低迷した状態にあり、それに次いで関東地区も低迷しています。18年ぶりの阪神タイガース優勝に沸く関西地区も、今後好調に向かって欲しいものです。日本の景気が底を打って回復に向かっているというのは、いわば政府の希望的観測、或いは楽観的な見通しであり、我々経営者はその言葉を慎重に捉えながら会社を経営して行かなければなりません。また、最近は1$=110円ほどまで円高が進み、輸出が総売上の多くを占める弊社としては注意して為替の動向を見極める必要があります。
 こうして円高が進む中にあって、メーカーとしては上手にもの造りをして、製販一体となって国内市場にマーケット・インして行かなければなりません。その為にも、関係各社の経営者・管理者が同じ志をもち、商社・代理店・メーカーで手を取り合い、今迄の様に慣習に従った消極的な営業ではなく、提案型の積極的な営業展開を図ってこの不景気を乗り越えて行きたいと考えております。

 「全国商社販売促進会議 挨拶」より

新たな生産拠点を加え、世界最適供給を目指す

 現在、小倉グループには日本を始め、アメリカ、フランス、ブラジル、マレーシアに生産拠点があり、今回新たに中国広東省東莞市に海外6番目となるカーエアコン用クラッチの生産拠点である小倉離合機(東莞)有限公司を起工する運びとなりました。8月6日の起工式にご列席頂いた劉発枝東莞市政治局副主席や石碣鎮の黎橋根書記、劉始団鎮長始め、鎮政府主要部門の代表者の方々には厚く御礼申し上げます。
 近年、中国の経済発展には目覚しいものがあります。取り分け自動車産業は中国の広大な国土における交通手段という経済発展には欠かせない役割を担っており、実際、昨年の中国の自動車生産台数330万台に対して、今年は400万台を超えると予測され、中国国内の自動車メーカーは各社とも増産にしのぎを削っています。
 我々小倉グループとしては、そうした発展目覚しい中国に製造拠点を設立する事で、中国国内のユーザーのみならず、世界中のお客様に当社の製品を最適供給できるグローバル体制を構築したいと考えております。

 「小倉離合機(東莞)有限公司 起工式挨拶」より

四代目としての重圧に克己して

 2002年5月5日に三代目社長である父が他界し、経営者としてその後を継ぎ早くも1年が経とうとする今、改めて責任の重さを実感しています。  最近の若者は仕事に対する考え方が実にアメリカナイズされ、企業の名に拘らず、如何に魅力ある仕事が出来るかという事が重要になっています。従って、当社は今迄の年功序列によるエスカレーター式の人事制度を見直し、能力主義・成果主義による人事制度へと革新し、社員にとって遣り甲斐、生き甲斐のある職場への変革を図り、必ずや発展期にあった頃のバイタリティを取り戻してお客様のお役に立てる企業になります。  しかし、こうした革新を進める上での経営者への重圧は思いのほか大きく、私の場合は趣味としているモータースポーツでこのストレスを発散しています。この趣味が高じ、一昨年には群馬県佐波郡赤堀町にレーシングカート場・カートランドORCを設立し、また競技車輌用の強化クラッチORC(Ogura Racing Clutch)シリーズも当社のビジネスドメインに新たに加えました。  当社の歴史を振り返ると、初代社長祖父は機械クラッチにより創業し、二代目社長祖母は電磁クラッチ等によりクラッチ・ブレーキの総合メーカーとしての地歩を固め、三代目社長である父はカーエアコン用クラッチをもってグローバル展開しました。その後を引き継ぎ四代目となる私は、蓄積されたクラッチ・ブレーキの技術を自動車の駆動用クラッチへも応用し、更にモーションコントロールやコンポーネントプロダクトへとビジネスドメインを広げ、当社の歴史に確かな足跡を残したいと考えています。

 「日本工作機器工業会機関誌 『こうさく No.39』 随想」より

失敗を恐れずチャレンジしよう

 今年一年も厳しい景気が推測され、イラクでの戦争も始まり、なお一層不透明な経済になるという心配もある中ではありますが、新入社員の社会人としての一年目がスタートしました。新入社員が社会人としての認識を十分に持ち、将来の当社にとって重要なスタッフになって貰える事を期待しています。
 私が新入社員に先ず遣って貰いたい事は、失敗を恐れずに積極的に業務に取り組み、その中で学んで行くという事です。経験がない以上、失敗はつき物ですし、時には恥をかく事も必要です。「企業は人也」と言うように、社員一人一人がチャレンジ精神を持って能力を向上させなければ、企業の成功はありません。失敗を恐れずに業務に臨みチャレンジし、失敗を繰り返しながら成長していけば必ず成功が待っています。会社としても、そのチャレンジをバックアップし、もし失敗してもお客様にご迷惑を掛ける事の無いようきちんとフォローして参ります。
 この新しい若い社員と共に、お客様の期待に応えられるよう、社員一丸となって邁進して参ります。

 平成15年 「入社式 訓話」より

顧客満足を目指しイノベーションする

 日本経済全体は未だ底の見えない状況が続いており、今年も厳しい景気は継続するものと考えられます。その中で当社は、今年のスローガンとして掲げた『C4&I2』を合言葉に、社員全員で力を合わせてオンリーワン・メーカーを目指します。
 今年のスローガンの「C4」中には、顧客満足(CS)という意味が込められています。お客様が何を求めているのか、その為に当社は何をしなければならないのかを、営業部門は勿論、当社全体として意識し、積極的に市場開拓、シェア拡大、受注獲得に向けて取り組んで参ります。
 その為にも当社・当グループはイノベーション(革新)します。既に有るアメリカ・フランス・ブラジル・マレーシアの四拠点に加え、今年は新たに中国に進出し、本格的五極体制の確立により最適供給・最適調達を可能にし、国内のみならず世界でも勝ち抜ける企業体質、グループ体質を築いて行きます。当然、国内においても各工場が管理能力・生産能力を更に向上させ、海外に負けない最適供給できるレベルを実現します。加えて、社員に対しては能力主義・実力主義の下、向上心のある者がより伸びる事が出来る環境を作る事で、一人一人が当社における自分自身の在り方を見つめ直し、個人の意識のイノベーションを図ります。
 平成十五年が更なる飛躍の年となるよう尽力致しますと共に、関係各位にはご指導ご鞭撻の程、宜しくお願い申し上げます。

 平成15年度 「年頭所感」より

社長就任のご挨拶

 弊社代表取締役社長小倉一郎儀、かねて病気療養中のところ、5月5日午後10時33分、桐生厚生病院において永眠致しました。生前のご厚情を心から感謝し、厚く御礼申し上げます。  また余りにも突然に、代表取締役社長に就任する事となり、複雑な思いです。願わくは一郎前社長が会長に就任され、社長を引き継ぎたいと考えておりましたが、実際には一郎前社長との永遠の別れと共に、新任務が課せられる事となってしまいました。しかしながら、これも『おやじ』が与えてくれた最後の試練と、身が引締まる思いで受け止めております。
 一郎前社長は、社是『誠実・勇気・健康』を経営の基本に据えて、当社自身・社員やその家族の事ばかりでなく、お客様は勿論、取引先や地域社会全体にとって何が最も良いかを、大所高所から判断し、それらを更に発展させる事を望んでおりました。これからも、こうした『おやじ』の方針と遺志を確りと引き継ぎ、今まで以上にお客様に有益な製品を全世界の隅々に送り出し、小倉クラッチを、更に立派に育てる所存です。
 まだまだ未熟でございますが、当社に課せられました責任を果たすべく、社長として課せられた任務に邁進致しますので、今までと変わらぬご指導、ご鞭撻を宜しくお願い致します。

2002年5月

GLOBAL市場での発展を目指して

 この度、H.P.P.C.の設立、本格稼働により、小倉グループとしては、3つの項目を段階的に実行に移して行きます。
 先ずは第一段階として、小倉グループ最大の関係会社であるオグラコーポレーションに対し、高品質で安価な部品を供給する事で、世界最大規模の米国自動車市場に向けての安定供給を図ります。次に第二段階としては、我々の持てる生産技術を駆使して自動車産業を始めとする各分野、即ち農業機械・建設機械・その他のあらゆる産業を対象に、機械部品の供給します。もちろんこれも、競争会社に勝る品質と価格をもってあたりたいと考えます。更に第三段階としては、技術提携やM&A等により当社の技術と他社の技術をもミックスし、ハイポテンシャルな機能を持つ完成部品を製造・販売する事で、GROBAL市場における更なる発展を目指します。
 以上は前社長の遺志でもありますので、後継者としてこれらを完全遂行する所存です。これからもH.P.P.C.と小倉グループへの、ご支援ご指導を心よりお願い申しあげます。

2002年5月「H.P.P.C.オープニング・セレモニー挨拶」より

夢と希望に向って努力する

 世界と日本の景気が非常に悪い状態で、厳しい就職戦争を経験した多くの若者の中から、今年も選りすぐられた若者が当社に入社しました。当社としても、多くの仕事を効率良くこなし、重要な役割を担ってくれるものと期待しております。
 「元気があれば何でも出来る」とある格闘家も言っていますが、人間が生きていく為には精神力と元気が大切です。そして努力をすれば、必ずや将来の夢や希望が実現出来ます。若い社員達が夢や希望の実現に向け、社会人として何が必要かを考えて、それに向かって日々精進して行けるよう、会社としても出来る限りのバックアップしていきます。新たな力を加え、今期も社員一丸となって一所懸命に努力して参ります。>

 平成14年 「入社式 挨拶」より

原点に返り闘争心をもってシェアアップに挑む

 明けましておめでとう御座います。  昨年は失業率が5..5%となり約350万もの人が失業し、1,851社もの会社が倒産し、更には為替も1$が¥130代となるなど、混沌とした状況でした。この様な状況から推測すると、今年も非常に厳しい景気の年になろうと覚悟し、この1年も気を引き締めて進んで参ります。
 その為にも、社員1人1人が原点に返り、今何をしなければならないかを正しく見極め、闘争心を剥き出しにし、より一層気を引き締めて十分に力を発揮していきます。会社としても、社員の能力を100%出せる環境をドラスティックに創っていきます。また、景気が回復した時に拍車を掛ける為にも、営業面では今年も昨年以上にシェアアップに努めます。その為にも、品質向上と納期遵守を徹底し、お客様の満足度を上げて参ります。
 縁起を担いで、今年は午年ですので「うま」く行く事を願っております。お客様並びに当社関係者の方々にご指導ご鞭撻の程、宜しくお願い申し上げます。

 平成14年度 「年頭所感」より

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